甲斐です。
何というか、ヒタリ系全開気合弾(^^;こういうのは、書いてる本人のみが楽しいんだよな（爆）必殺、自分酔拳！などと、スパロボのアンソロジーなぞ読みつつ続き。しかも終わってない（死）
牢獄。青いバリアの間。
「大神官様！フォズ大神官様！ご無事で！…くっ、このバリアが…」
「流石の魔族も、大神官の力だけは奪えなかったらしいぜ、この堅牢なバリアは」
「…女の子？！私より年下じゃない！あれが大神官なの？！」
「ひゃはは、ビックリだろ？…俺も最初は驚いたしな」
「まいったわね、アルス。…アルス？」
光をばらまき輝いてた〜 俺の瞳にぃ飛び込んだ彼女〜
どこかのシネマのシーンみたいさ ノイズも止まったね〜♪
「…おいおい。」
「…バリアだな。」
「え？あ、ああ、コイツを破らないと…って」
（どどどど…ごりごり…ひゅ〜がしゃんがしゃん！）
「おお、バリアが！大神官様！」
「うう…カシムですか？…助かりました」
「礼は私などより、この者達に言って上げて下さい」
「ありがとうございます、皆さん。私の名はフォズ。若輩者ながらダーマの大神官をつとめさせてもらっております…えっと」
「アルスです、フォズ様。そしてこちらが、マリベル、ガボ、フーラル。」
「彼らの協力無くば、とても大神官様をお助けすることは叶わなかったでしょう」
「そうでしたか…私達が至らなかったばかりに、色々とご迷惑を…お教え下さい、ダーマは、皆はどうなったのですか？」
「ふむ、あのアントリアという悪魔神官は、人間から力を奪っても、殺しはしていません。他の魔族の侵攻を受けた地域にくらべれば、ダーマは遙かに幸運だったと言えますね。からくり兵団に侵攻されたフォロッドなどにくらべれば」
「それでは、皆殺しにされたりはしていないのですね…」
「今はまだ、ですがね。…あいつは、絞るだけ絞った上で、一筋の逃げ道を用意しておく、と言うやり方を好んでいます。…半端な希望が、より深い絶望を産むと言う事をよく知っているんですよ」
「アルスさん、と仰いましたね…貴方からはとても強い何かを感じます…お願いです私達に力を貸して下さいませんか？…小さな希望は、確かにより深い絶望に繋がるかも知れません…ですが、より大きな力を生み出す道でもあると、私は信じたいのです…！」
「いーや、ぜつぼぉ〜ぉだね！ギャハハ！」
「だぁぃ神官様、ダメですねぇ勝手に外にお出になられては。貴方には早く絶望してもらわないといけないんですがねぇ？」
「ちいっ！こいつら、洞窟の奴らだぜ！俺達から奪った力で強くなりやがって、恥ずかしくねーのか！」
「アンタが言うな、この盗賊！」
「素早いツッコミありがとう！」
「…人から奪った力で？それならば私に何とか出来るかも知れません！」
「…頼みますよフォズ様、正直今の俺等じゃ厳しいんでね」
「ええ。私も、やはり小娘の大神官などお飾りよ、などとは言われたくありませんから！…魔物よ、職を辞めたいと申すのですね！！（ぎょわ〜ん）」
「ぐええ？！儂のバギマが？！」
「ナイス！殲滅するぜ、うりゃあああ！」
「…さて、それでは俺とフーラルは、一足先に大神官救出の報を持って帰ります。アルス達は、大神官様をお守りしてきてくれ、頼んだぞ！」
「カシムさんよ、なんで俺等だけ先に行くんだい？全員で帰ったほうが安全だろ？」
「神殿勤めの俺がいたら、いつまでも大神官でいなきゃならんだろ？まだ、小さい女の子なんだぞフォズ様は？」
「まぁたそんな気を回してんのか？…正直に吐けよ、ネリスに会いたいだけだろ？」
「ふっ…ザジの行方がまだ分かってないんだがな…」
「…と、言うわけでして。」
「まぁ…そんな大変な旅を…私の味わった苦しみなど、ちっぽけな物なのですね…」
「フォズ様。」
「はい？」
「あまり己を大神官という立場で縛らないことです。本当の自分を殺して職務に忠実たろうとするのは、いつか自分で自分を壊してしまいますよ」
「！」
「そーそー、コイツなんて、本当自分丸出しなんだから！付き合わされるこっちの身にもなって欲しいもんだわ！」
「そりゃオイラ達の台詞だぞ」
「のわんですって！アンタだって腹減ったしか言わないじゃないのー！」
「くすくす。…そうかもしれませんね。…ですが、物心ついたときから、大神官になる身よ、大神官に相応しくなられよ、そんな風に暮らしてきたので…この自分以外わからないんです…」
「ふむ…ではフォズ様、今一番やりたいことは何ですかな？…おっと、皆を助けるとかはダメですよ？」
「え？…そ、そうですね…あの、その……………お風呂に入りたいです…」
「うぇぇ〜！あたしも入りたいぃぃ〜！もう色々ドロドロよぉぉ〜！」
「よっしゃ！じゃあさっさと帰って風呂にしましょうか！」
「アルス〜、飯はないのかぁ？オイラもうハラペコで…」
「んじゃ帰ってメシとフロだな！」
「ねぇちょっと！大神官を助けた美少女ヒロインとその一行の凱旋が、なんでこんな仕事帰りの親父の群みたくなっちゃうのよ？！」
「そりゃ、大神官を助けた美少女ヒロインが親父っぽいからだろう？」
「何ですってぇ！こんのバカアルスーッ！！」
「…ぷっ！…皆さんはとても自由なんですね。羨ましいです…」
「おうとも！いつでも俺式、自然体がモットーなんでね」
「いや、アンタは回りから見たら、凄く不自然だって。」
「あの…皆さん…こんな事言ったら迷惑かも知れませんが…その…私と、と、友達になって…くれませんか？」
「おお！タイマンはったらもぅダチじゃあっ！ワイとアンタは真友なんやでぇ〜！」
「レッツダチ公、わかりにくいっ！！（どずっ！）」
「おごわぁっ？！」
「考え直した方がいいわよフォズ様。こんなのと友達になったらバカが移るわよ」
「いえ…私も、少しはバカになった方がいいのかな、って思って…」
「あらなに？私達がバカだって認めちゃうワケ？！」
「あ、そ、そんなんじゃ…うう、御免なさいぃ」
「ニャハハ！冗談よ、じょーだん！」
「うう…意地悪しないでくださいぃ」
「ウガー！何でもいいから早くメシ食わせてくれ〜」
「ふ、じゃ戻るとするか！メシ食ってフロ入って神殿奪還だな！」
| まえ | もどる | つぎ |