第10話




甲斐です。おかしい…何故終わらないんだ、ダーマ編(^^;


「よう、アルス」
「何やってんだ、カシム。」
「ふっ…実はな…鍵が開かん。」
「……おお!(ぽん)」
「のっけからしまらない話ねぇ…」
「ねぇねぇアルスさぁん、その鍵、私に開けさせて、ねっ?」
「…もういい加減正体を見せたらどうだ?それに、本物のネリスはどこにいる?」
「ちぇっ、やっぱり外見は真似られても、中身は無理か。難しいモンだぜ!」
「いや、最初ッから真似る気無いでしょアンタ。」
「まあエエ。それにしてもお前等、ホントにこのまま行く気かい?キヒヒ、お目出てェこったなぁ?…あの娘ッコはワザと逃がされたんだぜ?」
「ほう?」
「逃がさネェ気なら、魔物の軍団が押さえ込んでるに決まってんジャン!…助けだされてヨォ、これからって時に、オメェらがおっチンジまったらどうかねぇ?…キヒヒ、がぁ〜っくりスンじゃネェの?特に、アルスとか言ったか?オメェさんの首を見せたら、絶望して死んじゃうかもなァ?キヒヒヒヒ!アントリア様は、あの小娘が絶望するのをお望みよ!だから逃がした。踊らされてんだヨ、テメェらはよ!」
「ふ…回りくどい手を好む奴だ。それよりネリスはどうした?…まさか、死んだなどとは言うまいな?」
「死んじゃイネぇヨ。地下の闘技場で大人気サ!美人の女戦士のがんばりはヨォ!…まあ、一緒にいたジジイは俺が喰っちまったがヨ。キヒヒヒ!」
「神官長を、喰ったのか。」
「おおヨ!美人のネェちゃんの方がお好みだったんだがネェ」
「「魔物、お前、大金星!!」」
「あァ?」
「お礼にたっぷり殺してやる!行くぜ!」
「キヒヒ!唯のゾンビーアイだった俺も、奪った力で生まれ変わってンだぜ?来なァ!このマンイーター様が喰らい尽くしてやんゼェ!(でろでろ)」
「うっ…げ。あんな気色ぃのがネリスに化けてたの?!」
「行くゼェ!ベギラマァ!!」

「…キヒ…ヒ…やんじゃネェかヨ…でもヨ、まだ仕掛けは終わってネェ…仲間同士で殺し合いナ!キヒヒヒ…ヒ」
「何だと?…(ビュオッ)うっ?!」
「…死ね、カシム…姉さんに近づくゴミめ!」
「ザジ?!…魂の剣だと…くっ!」
「死ねッ!死ねッ!死ね死ね死ね死ねッ!」
「ちょっとアルス、何ぼさっと見てんのよ?!」
「…この戦いには手は出せんよ。カシムが何とかするしかない。ザジを殺すわけにもいかんしな」
「(くっ…まずいな、斬られた所から力が抜ける…ええぃ!一か八かだ!あの剣さえ奪えば!)…でぇりゃっ!(ギンッ!)」
「弾いた!」
「魂の剣は、あるべき場所に帰れ!(ボッ!)」
「ガアアアアッ?!」
「ちょ、ちょっと!殺しちゃったの?!」
「いや…魂の剣は、使用者の魂そのものを剣にした物なんだ。だから持ち主の体に戻せばあるいは、と思ってな…一か八かの賭だ」
「うう…?」
「お、目覚めたぞ、ザジ」
「…すまない、みんな。魂の剣を持っている間は、怒りの感情に抑制が利かないんだそれに、あの剣は持ち主の潜在能力を100%引き出す…だから、使い続ければ、最後には空になって死ぬんだ。カシム、アンタは大嫌いだが、殺す気なんて無かった。それは信じてくれ」
「いいさ、そんな事は。それより、ネリスはどうなった?」
「姉さんは地下の闘技場にいる。魂砕きを達成した人間は、みんなそこに集められるんだ。力を返してもらえても外には出られない。外に出るためには闘技場で5連勝しなきゃならない。戦うのはもちろん人間同士さ。自分が助からないのに、人が助かるのはイヤだから、足の引っ張り合い…それを魔物が見て楽しんでるんだ!」
「ふむ、希望を与えてそれを奪い、更にまた小さな希望を与える…アントリアの手口は一貫してるな。おそらく5勝しても自由にはなれまい。そんな力のある奴を離すワケはないからな…魂砕きの犠牲者のように操り人形にでもするんだろ」
「姉さんは、魂の剣を使って勝ち抜いてる。体が弱いのに、あんな物を使えば、そう長く持つはずも…!」
「…アルス、悪いが俺は先に行かせてもらう。道ならしをお前等に押しつけるのは心苦しいが、ネリスが手遅れになる前に助けたいんだ!」
「まかせとけよ。フォズ様の話だと、祭壇の地下あたりに力のプールがあるらしい。そこに行けば力を取り戻せるだろうってことだ」
「ああ。いくぞ、ザジ、フーラル!」
「お前が仕切るな!姉さんを助けるのはボクだ!」
「…ほんと、人望ねぇなあ、カシムの奴」


まえもどるつぎ