甲斐です。
「今晩わ、マルチです。みなさん如何お過ごしでしょうか、私達は今、砂漠のお城に来ています…闇夜に浮かぶお城は、それはもう……壊れまくってますぅ…ふええん、怖いです、怖いですうぅぅ！」
「血糊べったりー…」
「死体びっしりー…」
「怨念たっぷりー…」
「…で、何でこんなトコにいるワケ？！早いとこ出ましょうよ！気持ち悪いわよ！」
「くそ…だめだ、此処の世界は完全に殺し尽くされた後か…」
「みなさんマルチです。ここはどうやら、戦自の侵攻を受けたネルフ本部の様で…」
「…オレンジジュースになりたくなかったら、んなこと言うのは止めときなさい」
「何者だ貴様ら？！悪者だな！魔物だな！そうに違いない、そう決めた！俺が決めたからには悪はゆるさん！」
「…だれだお前？」
「俺は、漢ハディート！魔物め、よくも城を荒らしたな！死ね！」
「……イオラ。（ずがぁーんっ！）」
「…勘違いだったか。俺が勘違いしたからにはそうに違いない、そう決めた」
「アスカボムを受けてぴんぴんしているとは、ただ者ではないな…で？ここで何があったんだ？」
「像を魔王に変えて、男をさらって城で殺した。怨念晴れず魔物が死体をもてあそぶ。だからゆるさんと俺が決めた」
「侵略を受けて、城が滅んじゃって、魔王さんの像を造るために男の人達が連れていかれちゃって、城に放置された死体さんを、魔物さんがいたずらして困ってるから、退治しに来たそうですぅ」
「…何で判るの、あの説明を？」
「にーんげんの臭いがするぞー、じゅてーむ！」
「魔物か！魔物だな！」
「オレ様は、魔物の中でもおしゃれな死に神貴族！見ろ、お前等の女王様からペンダントを拝領したぞ、せ・し・ぼん☆」
「何？！…あのペンダントを魔物なぞに…！！」
「君達、オレ様に逆らっちゃう気分？女王様のいい人よ、オレ？シルブプレ？」
「…殺す。今すぐ殺すとそう決めた！」
ボーンライダーが現れた！
「死に神貴族ちゃうやん！！…ええぃメラミメラミメラミ！」
「女王め、命乞いのためにペンダントを魔物にくれたな！そうに違いない！あの性悪女め！…精霊像など作り、城と民を滅ぼした癖に！！」
「…アルス。本当に女王って、悪いヤツだと思う？」
「このハディートってヤツは、［一を聞いて十を知ったつもりになる］男だ、恐らく女王は白、イイ女なら純白間違い無しだろう」
「お前等、暇そうだ、いや暇だな！ここの死体を弔いたい、手伝ってくれ、いや、手伝う気満点だろう、そうに違いない！」
「更には、なんとも、小気味いいほど世界中心人物…」
「死体さん達が可哀想ですぅ…弔って上げましょうよ、アルスさん」
アルス達は、死体を集めて墓を作り出した…
「荷車にはもう乗りませーん！」
「だから、”産地直送”は取れって言ったでしょ！！不気味すぎるわよっ！」
「む！義経公３歳のみぎりのされこうべが…」
「穴は掘れたか！？掘れているな！？」
「うるさいわねっ！やってるわよっ！！」
「ほりほり…んしょんしょ」
「なあ、アルス、この骨囓ったら駄目か？」
「やめんかバカ犬ーっ！」
アスカの働きによって、城には立派な墓が並んだ…
「何で…ぜいぜい…アタシが…はあはあ…こんな事に精魂つぎ込まなきゃなんないのよ…」
「よくやってくれた、お前女の癖に見上げたヤツ！まさに女のなかの漢！」
「ぜはぜは…ちくしょー…後で憶えてろ…この脳味噌砂漠化男…」
「ふふふ…口は超悪いが、ホントは心の優しいイイ奴だな、アスカよ」
「…うっさいわよぉ…はひー…大体、なんでアタシだけこんなに疲れてるワケ？」
「基本体力が全然違うしな。残りはロボに野獣に漢ハディートだ。疲れるのは付き合うヤツの方だろ？…ま、一応俺も海の男だし」
「見て下さい～、十字架が血に濡れた床一面に立ち並んで、まるで補完後の世界の様ですぅ～」
「…コイツも、よっぽどオレンジジュースになりたいようね…」
「ぶっ倒れそうなほど疲れてんなら、いちいち突っ込まなきゃいいのに」
「ふうふう…突っ込まなくなったら…このアタシという自我境界線が揺らぐのよ…」
「お前達の手伝いで、死者を弔うことが出来た。これで彼らも浮かばれるだろう…いや浮かばれるに違いない！…世話になったお前達を歓迎するから村に来い！」
「…そして、あれが魔物共の魔王像だ。」
「途中をはしょるなーっ！！」
「まあいいじゃん、上でも、あの［魔女の大鍋］のある村全部はしょったし」
「だんじょん商店街じゃないって…村にあったのは大壺でしょ」
「そうそう、だん商って、［勇者アスカ］という女の子がいるんだよな」
「見所は、そりゃ景気のイイ、女同士でも目のやり場に困る入浴シーンですぅ～」
「それは小説版！…あんた、ふくろのくせに最近調子こいてんじゃないの！？」
「はうう！す、すみませぇぇん！」
「ふくろに八つ当たりしても仕方ないだろう、アスカ」
「…もういいか？オレは行くぞ、もう行くぞ、先に行くぞ！」
「まあ待て。今まで何があったかというと…」
「村、女子供と年寄りしかいない。村長、父ザシュトロ老衰で死んでしまった、漢ハディート村長になった、ペンダント、女王の手紙あった、勘違いしてた、だからティラノス捜した、死んでた、ナイラで泳いだ、お前達、角と変なジジイ連れて来て復活した、村人残るが俺償う、女王と男達！だから急いで行く、魔物倒して像の頭を取り替える！早く来い今来いもう待たない！」
「…何から何までせっかちなヤツだ…」
魔王像。
「きゃあ～っ！」
「ぐへへ、逃げられると思ったか？そうは…ん、何者…」
「イオライオラどとうの羊ーっ！！」
「ぎゃーす！」
「ふん…さぁ、お嬢さん、立てますか？」
「あ、ありがとうございます、お強い方たち！お願いです、フェデル様をお救いください！…私は、侍女の中でも一番若いからと逃がしていただいて…」
「安心して下さい、必ずやお救いしますと約束しましょう」
「有り難うございます…私にはこの様な事しか出来ませんが…地の精霊よ！」
「わお、一番若くても、凄い回復術じゃない！」
「一番若いから、回復が早いんだな」
「……ハディートのヤツどこ行ったのかしら」
「ふむ…メイドさんではないが、砂漠の侍女さんも、違う魅力が…」
「そんな事より、このトラップの山を何とかしてよ！」
「ＤＱで、砂漠にあるダンジョンは仕掛けだらけと決まっているからな…ぐわ！悪魔のつぼだった！…黄金の爪は無いようだ」
「お！アイツ、ハディートじゃねーか？」
「…すまなかった女王。俺は勘違いをしていたようだ…いや、俺が勘違いをしていたのだからそうに違いない！…では、俺は行く！」
「ハディート、一人では無茶です！！…ああ、行ってしまった」
「（むおおお？！針が！穴が！ぐはああ、電撃がぁぁ！漢ハディート、これしきでは止まらんぞ！ぬおおお！ぐはぁ！また穴かぁぁ！！）」
「あああああ、ハディート、折角回復してあげても、それでは何にもならないではありませんか…」
おまけ
皆さんこんばんわ、マルチです。
＞あのでかい骨がふくろに入るところがとても気になっていたのに(笑)＞描写希望(笑)
「との事ですので、いかにして、このマルチが試練を乗り越えたかを…」
「ふーくーろーなーまーいーき～（ぐーりぐーり）」
「はわわー！アスカさん痛いです痛いですぅぅ（めそ）」
「なーにやってんだー？先に行くぞー？…骨あるかー？」
「…えーと、これを、この大きな骨を、このマルチにどーしろと…？」
「どうにかしろ。」
「無茶な命令には、からくりメイド法第６条１２項で拒否権が認められてますぅ…」
「やかましい、俺がルールブックだ。頑張れば入る！お前は頑丈なのが取り柄だ！」
「はうぅぅ！こんなの、先っちょくらいしか入りませぇぇん（泣）…言っていいですか？…そんなのハメたら壊れちゃうぅぅ～！」
「ブー。それは、しのむの台詞なので、お前の声では認められないな。」
「あうぅ～、そんなあぁ～」
「しょーがねぇなあ…ほらマルチ、貸してみろ」
「そんな浩Ｏさんみたく言…あの、そのっ…」
アルスはティラノスの骨にマルチを入れた！
「…やっぱり、こーなるか。」
「なにこれ。恐竜戦車？無敵戦艦ダイ？…わかったガイコッツだ！」
「オイラ達、３悪なのか？…ぴったりって気もするぞ…」
「そのままガラゴロついてこいよ～」
『荷車が引っかかりますぅ…重いですぅぅ』
「泣き言はやってから言えー」
『あうう…世の中には、泣きながらやらなくてはならない事もあるんですね…』
「大丈夫！マルチは、ロボットだからマシーンだからダダッダー！」
砂漠村。
「…骨！ティラノス死んでた！…何たること」
「もう、わしらもおしまいじゃの…」
『諦めないで下さい村長さん～』
「声？！ティラノス生きてた？！」
「ほ、骨が喋りおったー？！（びくどきーん！）…う。」
「わ？！しっかり、父ザシュロトス！」
村長は静かに天に召された…ハディートが村長を継ぎ、先代の葬儀がしめやかに執り行われた…
「はう、はうぅ！途中を飛ばさないで下さい～！まるで、このマルチが殺したみたいに聞こえるじゃないですかぁぁ！（号泣）」
「…父ザシュロトス…しきたり通り、ナイラにその身を帰す…（ざぶん…）…アルス、そのティラノスの骨もナイラに帰してやってくれ」
「ああ…（どっぱぁん）」
突如ムービーが挿入され、ティラノスが見事に生き返った！
「…キングザウルスⅢ世？」
「…ティラノスという名は相応しくないな…コイツは、ナイラの怪獣ナッシーだ！」
「ナッシーというと、［子供が怖がるポケモン］で５本指に入る、あの…」
「ちなみに一番はブーバーだった。…あまりにも巨人の桑田に似ていたので、クワタと名付けたなぁ…スリープにはキヨハラと命名」
「…こいつは、やっぱなみのりポケモンのラプラスじゃねーか？」
「ええい、なんでもいい！！…これで魔王像まで突入が出来る！…俺は行くぞ！」
「ま、まて、俺達も行くって！」
「ハディート様ー！頼みますぞー！」
「女王様や、男達を助けて下さいー！」
復活したティラノスに乗り、一行は魔王像へと突入した！
父ザシュロトスの葬儀は、すっかりわすれられてしまった…
「と言うことがあったんですよー、セリオさん」
「――それは大変でしたね、マルチさん」
「って、セリオいるのーっ？！」
「――ふふふふ…さあ、どうでしょうか？」
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