甲斐です。
「…そうでしたか、私がやっていたことは全て無駄…ああ、民達よ、許して下さい！私は…私は」
「女王、今は前を見るときです。…悪魔を追い払い、光を取り戻すことが、なによりの償いになると信じるのです！」
「そうですね……皆さん、魔王像の瞳に填められた、闇のルビーさえ外せれば、魔物の力は一気に弱まります。何としてもルビーを外さなくては！…ハディートはあの通り猪突猛進な男なので、聞いたとたんに飛び出してしまって」
「まあ、アイツは漢ハディートなので死にはしないでしょうが…よし、急いで行くとしようか」
「きゃあ〜」
「イオラ！」
「ま、魔物が…」
「イオラ！」
「…女の子がいるなあ」
「結構、あのブタ強いんだけど…ＭＰも結構使っちゃったわよ」
「中の侍女達、回復してくれねーな？」
「あれか！対カブキ団十郎用トラップ！…あれは、カブキなら絶対回避不能の怖ろしい罠だった…まあ、俺達にはアスカがいるから引っかかりようもないが。」
「んなもんに引っかかったら、ちょんぎってやるわよ…っと…あ！ハディート！」
「ぐ…うう…お前達か…この魔物は強い…何をする暇もなくこの有様だ…俺が強いと言うのだから、この魔物は強い…」
「あん？また人間が来やがったのか…てめえらはどうだ？コイツみたいなヤツか？この野郎はよ、俺の前に来てイキナリ倒れやがった…何しに来たんだコレは？」
「……トラップにはまりすぎたのか」
「（ばたーん！）ああっ…ハディート！…おのれセト、よくも騙しましたね！」
「よお女王様。アンタ、俺に騙されたってか？…でもよ、魔族の俺を簡単に信じた自分が悪いって思わねぇか？」
「何言ってやがる、騙す方が悪いに決まってるだろうが。騙される方は悪くは無い。ただ愚かなだけだ」
「うう…耳に痛いです…」
「へっ…まぁ、どっちみち結果は変わらなかったろうがね。闇のルビーに照らされた砂漠は、もう殆ど人間なんざ残っちゃいねぇよ。像が完成すればゼロだ。俺は、あの策士ぶったアントリアと違って、人間の力を使おうとは思わん。お前等は、魔王様すら凌駕する爆発力を秘めている…危険の芽は早いトコ摘んじまわねぇとな！」
「皆さん！ルビーを、ルビーを外してください！そうすれば…」
「させねぇよ！！行くぜッ！！」
「セト…残念だが、カッコイイシーンは終わりだ！［ひゃくれつなめ］」
アルスはセトをなめまくった！
セトは身震いしてふるえあがり、しゅびりょくが０になった！
「ひゃあああ！？な、何しやがるこの変態！」
「…いや、憶えたから使ってみたまで。なんだ効くじゃないか…フフフ、この俺の舐めテクで、フォ…いやイカン！そんなネットで見つけた小説のような真似は！！」
「バイキルト！」「ちからためだぞ！」
セトは身震いしている！
「今度は［くすぐりの刑］など…チッ！コイツは効かなかったか…しかし、この技でフォ…ああっ！だから駄目だって、そんなネットＳＳみたいなこと考えちゃ！！」
「せいけん突きぃぃぃっ！！」「メラミッ！…ってアルス、マジにやんなさいよ！」
「わかったよ…ぬうううっ！ちからためぇぇ！」
「オイラのパンチはどうだ？！でいっ！（ずがぁん！）」
「ぐああああ！」
セトを倒した！（ちゃらりり〜）
「あああ、ためた力のやり場がないっ！！」
「ったく…いくら修行で強くなったからって遊び過ぎよ！…今の情けない姿を、女王様は何と思ったかしらね！」
「ハディート、しっかり…（きゅらん！）よし！…皆さん、今助勢を…あれっ？！」
フェデル女王は見ていなかった！
「…まあいいわ。さっさと外しちゃいましょ、ルビーとやらを」
「しかし、ジャイアントロボみたいだな…頬に階段ついてるし…よっと」
「（パアアアアア）…ああ、光が戻ってきました！大地の精霊よ、光が！ありがとうございます！砂漠の民は生涯、皆様へのご恩を忘れません！」
「…ふう、これでこの砂漠は大丈夫そうね…ああもう、砂だらけになっちゃたわ！」
「そのルビーの一つは、皆さんが持っていてくれませんか？…これは対にならなければ、力を発揮しませんので…」
「分かりました…マルチ！」
「うぐぅぅ…荷車がないのでツライですぅぅ…」
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