第18話




甲斐です。


「くっくっく…オレ様は魔王だ!」
「何言ってるの、私が真の魔王よ!」
「ボクなんか大魔王だもんね!」
「にゃーにゃにゃーにゃー!」

「うーん…ハロウィンかこの町は?」
「みんなマジみたいよ?…ま、ここも魔物の侵略を受けてるみたいね」
「そうだな…御免、町長殿はご在宅かな?」
「ごほごほ…旅の方…そうそうに立ち去られよ…この町はもう終わりじゃ…」
「ちょっと!大丈夫なの町長さん?!」
「この町は、美味しい水で有名な町じゃった…じゃが、ある日突然水が紫色になり…人々は取り付かれたようにその水を飲んで、後はあの様じゃ…わしも、もう意識がもたぬ…ああ…御神木は、あの妖精は…うう」
「美味しい水か…きっと教会にばーさんがいて、水源ではナイフを洗う女盗賊が、落ちないよう、いくら洗っても落ちないよう…と!」
「懐かしいなあ、アムール…って違う!大体、疾風のリングはもう持ってるじゃないの!砂漠で!」
「うむ…砂漠にあるのは[ほしふるうでわ]の筈なんだがなあ…などと言いつつ、ご神木に到着。小屋発見、たのもーう」
「はあっ…はあっ…ああっ…うう」
「む、何やら娘さんが苦しんでいる!これ娘、無事か?」

   少女は浅く息をするだけで、目を覚ます気配はない…

「これは…悪戯やり放題?!まづは、なめま…」
「フォズ様…(ぼそ)」
「(ビクッ)む!?何やら外が騒がしい!行くぞ!わはははは!」
「俺は魔王だからな、御神木くらい余裕で切り倒せる!」
「ふん、何さ!魔王のアタシには祟りなんて通じないよ!」
「そぉ〜ですとも皆さん!さぁさぁ、こんな樹は斬ってしまいましょう!…ん?何だお前?」
「や…めて…その樹…世界…斬らな…はあっはぁ…あふぅ…ぅ」
「ふん…樹の番人か…そんな様で何が出来る…失せろ!(どかっ)」
「あっ…!(がくっ)」
「こらっ!女の子になんて真似するのよ、このあやしい男!」
「誰だ?!」
「美少女アスカ様と、その下僕達よ!…1秒で記憶しなさい、あやしい男!」
「「アスカ横暴ー!Boo! Booo!」」
「やかまし!」
「何だ、貴方達も魔王様でしたか!ささ、樹を斬って下さい」
「…お前の変な名乗りで、魔王に勘違いされたぞ、アスカよ…」
「何だ何だ!?魔王は俺だと言ってるだろうが!証拠を見せてやる!イオナズン!!…あ、あれ?」
「ほほほ、なさけないわね!魔王ってのはこんな感じよ!メラゾーマ!…あ、あら?調子悪いのかしら今日は…」
「ち…やはり、ただのおっさんやおばはんでは話にならんか…お前等、邪魔するならこの俺が相手…」
「ふん…だらしないわね…いい?その呪文はね…こうやって使うのよ!!喰らえぃ、イィオナズンッ!!(どずがぁぁぁぁぁん!!)」
「うぎゃあああ!?」
「もぉいっちょおーっ!メラゾーマァッ!(ばぐどぉぉぉんっ!)」
「ひいいいいっ!!」
「オイラもやるぞー!メイルストロム!!(ずばっしゃあああん!)」
「たっ、助けてくれぇぇ!本物の魔王だーっ!」
「ひぃぃぃ!魔王だよ、魔王だよー!(ぴゅ〜)」
「…………お見事でございました、魔王アスカ様。」

  アスカは無言でアルスにストンピングの雨を降らせた!

「うぐぅ…この時点でこの実力って、やっぱ鍛えすぎだよなぁ…」
「この女の人を、小屋に運ばないと死んじゃいますよぉ〜!」

「お願い…この水差しで…朝露を…飲ませ…あうぅっ!」

 アルスは神木の朝露を取りに行った!朝露にしては剛胆な水隗の一撃を受けた!

「取ってきた…びしょびしょ…でも、なんかお肌つやつや〜☆」
「こく…こく…あああっ効〜!…ありがとう皆さん、助かりました」
「ネリスと同じ反応…やっぱりコイツは[世界樹の雫]なんだな?」
「お察しの通り、この樹は[世界樹の若木]です。そして、私はこの世界樹の成長を見守るエルフです」
「エルフって、みんなそんなアンミラみたいな服なのか?」
「なんかいたわよね、スーチーパイにこの人そっくりなの」
「え…えーと…」
「で、村人がおかしくなった理由を、キミは知ってるかい?」
「えっ?あ、はい。…クレージュの地下水には、この世界樹の力が染み出していて、素晴らしいミネラルウォーターなんです。が、そこに魔物が現れて、水を汚染してしまいました…ですが、その朝露があれば…私はこの樹から離れられないので…」
「うむ、コイツを井戸に放り込めば一件落着かな。よし行きますか魔王様!」
「…もっぺん死んどくか?」

「みなさん!あやつらは井戸に毒を撒く気ですぞ!井戸を囲んで守るのです!」
「怖ろしい…やはり魔王は考えることが違うべ!」
「町唯一の水源に毒を撒こうとは、おのれ魔王!」
「くくく…こうして囲んでしまえば近づくことも出来まい…システム的に!」
「…ザ〜ラ〜」
「うへぇ、おやめ下さい魔王様!無倖の民に死の呪文は!」
「戻って対策を考えましょう〜」

「そうですか…では、神木の根を伝って、地下水脈から直接井戸に行けば…」

「井戸の底には井戸がある〜井戸の中には井戸魔人〜魔界大吟醸[紫]も絶好調!」
「…貴様!井戸の底にはクラーケンがいるのが正しい姿だろうが!」
「イロイッカイヅツ…ケイマトビケイマトビ…」
「やかましいワイ!クラーケンと戦いたかったら、タバードを着て、ウィンクソンを仲間に入れて来んかい!やれ、手下共!」

「井戸魔人風情が、魔王様に勝てると思ったか…さて、水を…」
「お?!俺達は一体何を?!」
「あらっ…何でこんな所にいるのかしら?」
「…お、おのれ!よくも吾輩の、[クレージュの水を腐らせて、妖精ちゃんに悪戯しちゃうよ大作戦]をうち破ってくれたな!むはぁぁぁぁ!これが俺の真の姿!ウルフデビルの爪に引き裂かれて死ぬがいい!!」
「さて、頼みましたよ魔王様」
「しつこいわねっ!」

「メイルストロム!」「メラゾーマ!」「くっくっくっくっ…」
 アルスは忍び笑いをしている…

「メイルストロム!」「メラゾーマ!」「はっはっはっは…」
 アルスは忍び笑いをしている…

「はーっはっはッ!」「メラゾーマ!」

    (ちゃらりり〜)ウルフデビルを倒した!

「はっはっは、俺は笑ってるだけで終わってしまったな!」
「オメーも笑ってねーで戦ってくれよ…」
「だって、ハッスルダンスくらいしかないし、お前等だけで終わるんだもん」

「有り難うございました…これで世界樹もしっかり育つでしょう…でも、世界樹が育ったら、私は消えてしまうのでしょうか…あ、そうだ、皆さんにお礼を…世界樹の枝です…強い治癒の力を秘めてますから、きっとお役に立つと思います」
「…蜜ないの?」
「えっ…?」
「エルフなんだから[さえずりの蜜]持ってるんじゃないの?ねえねえ!」
「い、いえ…今回のDQには出てこないかと…」
「何と、ならば俺が!(がづん)…ぐえ」
「こいつ、絶対下品なコトする気だったわ。…アリガトね、祝福の杖は大事にするわよ!…じゃあ、未来でまた会いましょ!」

現代のクレージュ・世界樹
「いないわね…やっぱり、役目が終わったら消えちゃったのかしら…」
「……。(ちちちちち)…ん?」
「お、また来たぞあの青い鳥」
「世界樹の守り鳥じゃてのぉ!」
「(ちゅんちゅん)」
「はは、そうなの、貴方があのエルフなのね…(ちちち)え、どうしたの…あ!これは、石版!…ありがとう…そういえば名前がなかったのよね」

過去のクレージュ・御神木
「エルフ君、君の名前[ちゅんサン]に決定!!」
「な、何ですかー?!」
「ええい、このニーナ姫オタクが!それはブレス4でしょうがっ!!」


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